泌尿器科（人工透析）
人工透析とは？
人工透析とは、腎臓の働きが悪くなったときに用いられる治療法で、腎臓の代わりに、人工的に血液から余分な水分や塩分、老廃物を取り除いて、血液をきれいにする治療です。
人工透析が必要になる場合
腎臓が悪くなる原因と影響
腎臓が悪くなってしまう原因は様々ですが、先天性の疾患の他に、糖尿病、高血圧、高尿酸血症等が原因で慢性腎臓病を発病することもあり、これらは主に「生活習慣病」と呼ばれています。
慢性腎臓病になると、本来の腎臓の機能が低下し、体に老廃物や水分がたまってしまいます。
自覚する症状として、むくみやだるさなどの不調が現れ、放置すると心臓への負担が多くなり命の危険に晒されることもあります。
このため、慢性腎臓病と診断された方は、定期的に人工透析を受ける必要があります。
人工透析の時間と期間
人工透析の9割以上の方が血液透析を行っています。一般的には、専門の医療機関で1回4～5時間を週に3回ほど行う必要があります。
本来、腎臓は24時間、365日休みなく動いており、1週間で168時間（24時間×7日）も働いてます。透析の治療時間が長く、通院の回数が多いのは、この腎臓の働きが低下してしまったことで溜まってしまった体中の老廃物を透析によって取り除く必要があるためです。
週12時間程度（１回につき４時間程度）の透析時間が必要であり、基本的に治療は中断することなく生涯にわたって続けます。
血液透析
現在、透析治療を受けている方の9割以上が血液透析（血液濾過透析も含む）を行っています。
血液透析は、血液を体外のダイアライザーと呼ばれる透析用の装置につないで老廃物を取り除き、きれいになった血液を体内に戻す方法です。
血液透析を行うためには、血液の出入口が必要となり、一般的には、透析を行う腕に内シャントという方法で血液の出入り口を作ります。
オンラインHDF
オンラインHDFとは”大量濾過透析”のことで、透析（拡散）と大量濾過を組み合わせることにより、小分子量物質から中大分子量物質まで効率よく除去することのできる治療法です。
オンラインHDFで効率的に透析治療を行うことにより、透析アミロイドーシスや透析困難症（透析中の低血圧やつり症状等）、むずむず脚症候群等を予防することができます。当院ではこの治療法を採用し、患者様の様々な症状改善や安定した治療を目指しています。
透析液を補充液として使用するため、特に透析液の品質管理は臨床工学技士が厳密に行っています。
フィラピー
当院では、透析を受ける患者さんの負担軽減を目的とし、フィラピーを導入しています。フィラピー（FIRAPY）は、血管疾患を対象に開発された特殊波長の赤外線医療機器で、光線療法の一種です。波長3μmより長い不可視光線を放射し、体内の電磁振動と共振することで、細胞の生理機能を維持したり、血行を改善したりする効果が期待できます。
フィラピーには、次のような効果が期待されています。
- 抗炎症作用
- 内膜皮膜減少作用
- 血管内皮機能改善作用
- シャントケアやPADに対する有用性
- 透析シャントの血流増加や開存率の改善
- 血液透析患者のシャント機能不全の予防
- 鎮痛
フィラピーはシャントケアや抹消動脈疾患（ＰＡＤ）に対して効果が認められている為、全国の人工透析のクリニック、病院でも積極的に導入されている機器です。
また、当院ではシャント部分だけでなく、足のしびれ、冷感がある患者さんへの足への照射も行っており、「楽になった」「気持ちよく透析ができた」との感想が聞かれています。
治療費と自己負担額
透析治療にかかる費用は、月に30〜50万円と非常に高額であるため医療費の公的助成制度があります。実際の支払う自己負担額は、1人あたり月に1万円が上限となっています。※一定以上の所得のある人の場合は上限が2万円です。詳しくはこちらのページをご覧ください。
当院での治療を希望の場合
人工透析開始には、まず、専門機関での検査、診断が必要になります。既に通院（もしくは入院）されている状態からの転院、治療を希望される場合は、現在、治療を受けている（もしくは人工透析が必要だと診断された）病院や専門機関より、紹介状を当院まで送っていただくよう、ご依頼下さい。
紹介状を受け取った後、治療を希望する患者さまとの面談を行い、治療方針等の詳細をご相談致します。
また、ご自身での通院、ご家族等の通院サポート（車での送り迎え）が難しいケースでは、当院から送迎サポート（無料）をご提供します。（※ただし、普通乗用車での送迎になるため、車いすの方の送迎、またご自宅が当院から車で30分以上かかる方には対応できません。送迎が可能かどうかは上記面談にて判断致します。）
詳しくは、下記、問い合わせ番号までご連絡ください。
018-893-6722（代表）